ヴェジタリアンは語る

Vegetarians' Voice



研修場所が場所なので、毎日たくさんのヴェジタリアンに出会います。
「どうしてヴェジタリアンになったの?」「食べるものに不自由はない?」などなど、
にわかヴェジタリアンの素朴な疑問をインタビューしてみました。


Annabelle ( 40代・女性・英語教育専門家)
 ヴェジタリアンになったのは、12年ほど前の日本滞在(約3年。英語教師として)がきっかけ。最初は主に経済的な理由で肉を食べなくなったそうだが、Charles&Debraやボーイフレンドの影響で、ヴェジタリアニズムに目覚めていった。また、日本に居る時、鯛の活け作りを体験し、「動物の肉も魚も命を奪っているということでは残酷さは一緒」ということに気がついたのだとか。今はLactoovo-vegetarian。「いつかはveganになるだろうけど、卵や乳製品を料理に使わないのはやっぱり大変だから。その点では、私は怠け者なのよ。」豆乳があまり好きではないのも、理由のひとつ。彼女のルーツ、キューバでは豚肉料理が多いので、「豚肉がおいしいことはよくわかるから、それを食べている人たちを責める気にはなれない」そう。

雑誌Veggie Lifeのセールスレディ (40代?)
 雑誌自体はVegan向け情報が充実しているが、この人はVeganではないと言う。Vegetarianになったのは健康上の理由から。Veganはサプリメント(B12など)をとらなければならないので、そうした人工のものをあまり摂取したくないのだそうです。

Jeff (20代・男性・グラフィックデザイナー)
 もともとステーキなどはあまり好きでなかった。3年前にボルチモアに来てからVegetarian、さらにTamaraと出会ってからVeganの道へ。(愛は強し!)卵や乳製品も前からそんなにとっていなかったので、Veganになるのにそれほど苦労はなかったそう。(ちなみに、最後までやめられなかったのがドーナツ。)ただし、買い物する時いちいちラベルを確認しなければいけないのはめんどくさい、と言ってました。料理上手な彼のレシピには、フェイクミート(大豆やグルテンで作られた挽肉やハム、ソーセージなど)がよく使われます。ちなみに、「アイスコーヒーなんて許せない」というコーヒー党。

Tamara (20代・女性・VRG勤務)
 15歳の時「なんとなくかっこいいと思って」VegetarianになったというTamara。彼女いわくその日は独立記念日で、象徴的なことにハンバーガーやホットドッグを食べる習慣があったのだそう。最初は(牛・豚)肉を食べるのをやめ、鶏肉をやめ、魚をやめ、といったようにだんだんnon-vegetarianな食物をカットしていき、vegetarianになってから8年後にVeganに。前から卵や乳製品をとるのは良くない(動物愛護の観点から)とわかってはいたのだけれど、それらが大好きだった(朝食にはチーズオムレツが定番)だけに、VRGに入ってその道を学んでからようやくやめられた、とは彼女の弁。

Jessica(20代・女性・VRG勤務)
 食肉にされるためにいかに動物が悲惨な目にあっているかを14歳の時に知ったJessica。お母さんが彼女のためにVegetarianメニューを作ってくれたり、お父さん(自称Vegetarianだが鶏肉は食べる)が「それは健康にはとてもいいことだ」と賛成してくれたり、家族は協力的だったそう。と言っても、最初の頃は、他の家族用のメニューに肉があると同じ食卓につかなかったり、お兄さん(今はVegetarian)が肉を彼女の目の前につきだしてからかったり、など多少の軋轢は起きた。高校に行ってからはVegetarianの友人もでき、人とのつきあいに特に苦労を感じたことはない。Veganになったのは、一人暮らしを始めてから。今は、ルームメイト2人(non-vegetarian)と同居で外食することも多いが、不自由はないそう。友達が自分の前で肉を食べていても気にならない?と聞いたら、「ステーキなど肉肉しいものでなければ・・・」との答えが返ってきた。

Wes(20代・男性・高校の英語教師)
 半年ほど前に始まったJessicaとの交際がきっかけで、VegetarianになったWes。ちょっと前まで家族と同居していたが、食習慣の変化は特に問題なかったそう。だが、寿司&シーフード好きの彼にとって、魚をやめるのはちょっと大変らしい。また、ドーナツが好き、ということもあって、なかなかVeganにはなれない。「Veganドーナツもおいしいじゃない?」と聞いてみたところ、「悪くないけど、僕はフレッシュドーナツ(普通のドーナツのこと)の方が好きだなあ。」

Davida(20代・女性・VRG勤務)
 VRGに来る前は、カメラクルーの助手をしていたDavida。ロケの時、チームの食事は専らファーストフードでまかなわれたためVegetarianの彼女が食べられるものがなく、いつも弁当を持参していたそう。今、Veganの輪の中にいてそういう苦労を感じなくてすむのが楽だと言う。

〜番外〜Bunny(50代・女性・ギャラリーショップ勤務)
 Jessicaの母。健康志向が強いものの、彼女自身はvegetarianではない。Jessicaがvegetarianになった時、まず心配だったのは、栄養がちゃんととれるのかどうか。今でも、Jessicaは成長期に必要なカルシウムが十分とれなかったのでは、との思いが残っている。ただ、Jessicaがvegetarianになったのは強い動物愛護精神からだったため、肉を食べることを強制はできなかった。肉料理を食べる家族と食卓を同じくするのを拒む潔癖な娘に手を焼いた時期もあったが、「食事を作っているのは誰だと思うの?」と根気強く説得。馴染みのないvegetarian料理を作るのにも苦労したが、現在は豆腐&ブロッコリー中心のメニューで切り抜ける。「なぜvegetarianにならないのか?」の問いに対しては、「今まで慣れ親しんできた食生活はなかなか変えられないし、vegan用の食事をするにはお金がかかる。豆乳や何かは高いし・・」との答え。(これに対してJessicaは、「でも野菜は肉よりずっと安いわ」と反論していた。)

Andy(50代?・男性・元軍関係者)
 海軍勤務で、通算4年ほど日本滞在の経験があるAndy。日本でマクロビオティックに出会い、ベジタリアンの食生活を始めるが、次第に「どうもベジタリアン(マクロビオティックは肉や魚も一応容認している)の方が健康にいいし、環境にもいい」と思うようになって、今はVeganに。在日中の外食は、「ナチュラルハウス」のレストランや、インド、タイなどのエスニックフードを食べることで特に苦労はなかったそう。

Jenny(40代・女性・税理士)
 学生時代に、PETA(動物愛護団体)のパンフレットを目にしたのがきっかけで、肉を絶つようになった。最初の一年目はMeat、次に鶏肉、3年目に魚というように段階的に慣らしていき、1年ほど前にVeganに。友人達が彼女が肉を食べないことをいつもからかいの種にしていたようだが、それで友情にひびが入ったことはないそう。(もちろん腹は立つが。)職場で、テイクアウトしたベジタリアン料理を「どう?」と勧めても、みんな毒でも入っているような態度で決して食べようとしない!と、怒っていた。ちなみに、料理はきらい。

Mary(40代?・女性・印刷会社広報)
 16歳の時にベジタリアンになった彼女。猫を飼っていたこともあって、ある日「動物の肉を食べるのはやめよう」と決心したそう。父親は「crazy」と怒ったが、母親は「どう料理していいかわからないから、自分で作りなさい」と比較的寛容に受け入れてくれた。妹は犬が大好きだったが、ベジタリアンにはならなかった。数年前Baltimoreに移ってくるまでは、ニュージャージー、マサチューセッツの比較的小さな町に住んでいたため、今は割と簡単にVeganフードが手に入るし、外食も楽、と言う。Veganではあるが、捨てるのはイヤなので、ウールのセーターはまだとってある。

Jaison(20代・男性・コンピュータプログラマー)
 2年ほど前、友人の影響を受けて、健康面の利点からベジタリアンになった。今は、健康面だけでなく動物愛護や環境問題などとの関わりを知って、veganになろうと努力しているところだが、なかなか難しいらしい。卵や乳製品そのものはともかく、ケーキやパンなどそれらが含まれていないものを探すのは結構大変だと言う。

Rarry(40代?・男性)
 70年代の終わりにベジタリアンに。ベジタリアンの友人の話を聞いて、すっと自然に「それは正しいことだ」と思えたそう。以来肉を食べたいと思ったことはないが、veganになる時は、アイスクリームを断つのに苦労したらしい。大のラーメン党で、日清の「オリエンタル」(唯一ベジタリアンが食べられるインスタントラーメン)を愛用。味噌を加えたり、豆腐をトッピングしたりして楽しんでいる。

〜番外〜Mary Rose (20代・女性・詩人)
 彼女は、ベジタリアンの転向者。大学時代のある日「鶏肉(poutry)っていうのは鶏(chiken)の肉のことだ。BeefはCowの肉、PoakはPigの肉・・・」ということに気がついてベジタリアンに。が、肉好きのボーイフレンドに影響されたのと、ある時とてもお腹が空いていたときにたまたま肉しかなかった、という状況(それで肉を口にした)がきっかけとなり、「転びベジタリアン」に。今もあまり肉は食べないが、魚は好き。「何を食べるかは個人の自由。肉や魚を食べるからといって責められる筋合いはないし、食べるものによって人を判断することなんてできない」と言う。

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