9月20日〜求む胃腸薬〜
 ときこさんは寿司&鉄板焼きのレストランを経営している。リサーチも兼ねて、夕食はそこでご馳走に。「うちでは揚げ出し豆腐とちらし寿司はぜひ食べてね、あと新メニューでこういう巻物があって・・・」大丈夫だろうか、と思いつつ、すすめられたものをとりあえず注文。がしかし、量がアメリカンなので、やっとの思いで揚げ出し豆腐、サラダ、KABUKI ROLL、ちらし寿司、にぎり2個、巻き寿司2個を平らげる。(こうやって書いてみるとやっぱりすごい量だ。)胃がびっくりして、ひっくりかえっている。食べきれなかった分を一応お持ち帰りでパックに詰めてもらったものの、帰宅後ときこさんはお茶とパンプキン・パイを出してくれ、再びお腹がまんまるに。既に夜11時半。果たして朝まで消化しきれるのだろうか???そして、お持ち帰り寿司の運命やいかに・・・・。

9月21日〜カラオ「キ」・ナイト&デイ〜
 久しぶりに一日中雨。朝、外を見たら野生の七面鳥が20羽くらい庭を徘徊していてびっくりする。
 とりあえず仕事がせっぱつまっているので、部屋にこもってキーボードを叩いていたら、ときこさんが「カラオケやってるからいらっしゃいな!」下に降りていくと、ときこさんが嬉しそうに「恋人よ」を歌っている。なんでも修理に出していたマイクが戻ってきたので、テストしているのだそうだ。おちょこKもマイクを持たされ、がしかし、演歌がほとんどで知っている歌を探すのに苦労する。それでもときこさんとふたりで2時間ほど、歌いまくる。
 今日も夕食はときこさんのレストランで。本日は鉄板焼きをご馳走になる。火曜日から土曜日まではカラオケ(英語だと”カラオキ”になる)・ナイトで、常連さんがマイクを奪い合うようにして英語の歌を歌っている光景を目撃。外国人がカラオケしてるのを見たのは初めてだけど、マイクを持てばみんなただの「カラオケ好きなおやじ」。(がしかし、異様に上手い。)カラオケ・ボックスの常連だった昔の上司&同僚を思いだして、ふと「ここで日米対抗歌合戦やってみたいなあ」などと思う。

9月22日〜マンハッタン再上陸〜
 ときこさんの家を離れ(最後までご馳走攻めで、おにぎり&フルーツまで持たされてしまった)、バスに乗ってニューヨークに戻る。とりあえず世話になる友人のアパートのフロントに荷物をおかせてもらい、勝手知ったる他人の近所というわけで、Barns&Nobleでアポ1件、取材メモの整理と夜まで時間をつぶす。「これは!」と思う資料をみつけ、またまたいろいろと買ってしまった。
 夜は、ニューヨークで働くインターン仲間のみわさんのアパートへ。彼女はフロリダでのインターン生活を終え、3ヶ月ほど前からニューヨークにアパートを借り、英語学校に通い、仕事までみつけてしまったのだから、そのバイタリティには頭が下がる。持参したおにぎりとみわさんお手製の和食に舌鼓をうちながら、話に花が咲き、気がついたら11時。でも、がんばってる人に会うとこっちまで元気になる。なんてったって、このニューヨークでひとり生きていくのは大変だもの!

9月23日〜ニューヨーク・ベジタリアン事情〜
 今日は夜まで予定がなかったので、昼頃まで寝てしまう。(ゆっくり寝られてうれしい〜!)明日のアポを確認し、カリフォルニア・スシ・アカデミーのビデオをチェックし、近くのスーパーに行ったりしていたら、あっという間に約束の時間に。
 友人の友人で、ニューヨークでアートの学校を卒業した杉本さん&その彼、マイクとイースト・ビレッジで落ち合う。マイクはベジタリアンで、彼のお気に入りの「道場」というレストランへ。4ドルでお腹いっぱいになる、ひじきハンバーグ玄米ごはんサラダ付きを満喫。近くにはVEGAN ベーカリーもあったり、ニューヨークの進んだベジ事情を肌で感じる。杉本さん曰く、ホームパーティなどでも何も言わなくてもちゃんとベジタリアン用のメニューが別に用意されているほど、こちらでベジタリアンは浸透しているのだそう。最近できたという1ドル寿司やも教えてもらい、「これはこれは!」とひそかに喜ぶ。

9月24日〜緊張の一日〜
 今日はBondStというトレンディなジャパニーズ・レストランに取材。マネージャーはアメリカ人だから英語でインタビューだろうし、業界人御用達のようなスノッブなレストランだし、こっちは貧乏&駆け出しフリージャーナリストということで気後れしがちな気持ちを励ましながら、でもドキドキして約束の時間まで緊張しっぱなし。インターネットでできるだけの資料を集め、気合いを入れながらレストランに出向く。ところがマネージャーは超多忙で、先にシェフ(日本人)にインタビューすることに。インタビューの内容を聞かされていなかったらしく、なかなか歯車がかみあわないまま1時間半ほど話を聞く。いつまでたってもマネージャーが出てこないので、あまりシェフをひきとめるのも何だし(「休憩させてもらって」と彼は言ってくれたけれど)、ファックスで質問の返事をもらえたら嬉しいとのメモを残して退散。後で聞いたら、マネージャーは日本語もペラペラらしく、あの緊張はなんだったんだ、とちょっと気が抜ける。(でも、なんだか急に胃が痛くなってきてしまった・・・。)明日からはいよいよ夫も来るし、仕事モードは今日でおしまいだあ!

9月25日〜夫、到着〜
 夫はアメリカに2回来たことがあるものの、西海岸ばかり。東の方が好きなおちょこKとしては、ぜひ東海岸、そして自分が暮らしていた所を見てほしい、ということで、半ば無理矢理来させてしまった。前回と違い、さすがに5ヶ月ぶりともなると「久しぶりだなあ」と感慨深い。しかも、今回は自分も一緒に帰るわけだし。今日はホテルの近所をぶらぶらするくらいで、夕食も近くのスーパーのデリで買ったものですます。

9月26日〜だらだらしきれず〜
 夫も忙しい仕事の合間を縫って来ているわけだし、おちょこKもそろそろ疲労困憊。ふたりして「のんびりしよう」と意見が一致したものの、ニューヨークという街はやはり侮れず。朝食を食べに出、そのまま結局MOMAまで歩き、そこからエンパイア・ステート・ビル、タイムズ・スクエアを抜けてコロンバス・サークルと、いったいどれだけ歩いたか万歩計で確認したいくらい、歩きづめになってしまった。それこそ見切れないほど観光名所があるニューヨークだけれど、何が楽しいって、やっぱり街の空気を感じながら歩くのが最高。と書いている間、隣では早々と眠りに落ちる夫がいるのであった。

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