8月23日〜移民局の太鼓判〜
 父の仕事の関係で先にボストンに出発する両親、Charles&Debra&Samuelと朝ご飯を食べる。Samuelはいつもに増して活発で、おちょこKはお守りで大わらわ。大人達が何を話しているのかよくわからないまま、慌ただしく両親を見送る。
 そして今日の勝負所、移民局再訪。前に電話で問い合わせた時、在留期限が過ぎていても申請中の用紙さえあれば不法滞在にはならない、と聞いていたので、本当に大丈夫なのか確認したかったのだ。アパートを今週で出なければならないこと、住所不定になるのでこれから必要な書類を集められるかどうかわからないこと、10月1日には出国することなど事情を説明し、もう一度アメリカに来る時にも問題はないのかどうか念押し。移民局の人は「大丈夫、大丈夫」と笑顔。でも、出国する時はやっぱり不安だろうなあ。とりあえず、観光ビザに自動的に切り替えるために一度国外に出る必要はなさそうなので、その点では安心する。
 家に帰って荷造り開始。まだ2日あるけれどいっぺんどれくらいの荷物になるか様子をつかまないとなんだか落ち着かないのだ。(小心者!)部屋中の引き出しを空にし、帰国までこの家に置かせてもらう物と旅に持っていく物を仕分けする。仮住まいのつもりで暮らしていたはずなのに、不要な物が意外とあってゴミもたくさん。ほんと、すっきりと無駄のない生活って難しいもんだなあ。(夜逃げはとても無理。)

8月24日〜さよなら、VRG〜
 今日はVRGのみんなとお別れのディナー。前、おちょこKの誕生日会をやってくれたアフガン・レストランをリクエストし(アフガンライスがおいしいのだ!)、この際、せっかく持ってきたのだしこのまま着ないで帰るのもなんなので、浴衣に着替えて会場へ。久しぶりに、ファンデーションも塗る。みんな、"Pretty!"と大喜びで、自分でもちょっと嬉しい気分。別れ際にみんなとHUGをし、「ああ、本当にインターンシップ終わったんだ」としみじみ。だいぶガランとしてきた部屋に戻り、National Public Radioのジャズを聴きながら、ちょっと感傷にひたる。

8月25日〜役に立つER〜
 久しぶりに午後からずっと雨。銀行に口座を閉めに行くが、IDを忘れて出直し。英子さんに食べきれなかった日本食をもらってもらいにMount Vernonへ、ついでに古本屋に要らないガイドブックなどを売り(6ドルゲット)、図書館で新聞のバックナンバーの調べ物をする。マイクロフィルムを見ている途中で気分が悪くなり、「そういえばERでカーターが吐きそうになった時、こうしてたっけ」と思い出しながら頭を低くしてなんとかやり過ごし、近くの教会に座ってしばし休憩。
 夕食は久々にTamara&Jeffの家で。Vegan Shephard Pieに舌鼓をうち、Tamaraの愛猫Cosmo&Phillipeとたわむれる。5ヶ月ぶりに会うやんちゃなCosmoはなんだか大人になっていて、猫の成長の早さにびっくり。

8月26日〜ボストンの寿司〜
 自分でもよく持てると思うくらいの大荷物を抱えて機上の人となる。ボルチモアをついに離れる感傷からか昨日よく寝られなくて、飛行機が動き出したとたんに眠くなり、大好きなテイクオフの瞬間を逃してしまった。さすがに飛行機だと、ボルチモアからボストンまではあっという間。2時間もしないで到着。
 仕事の関係で先に来ていた両親と合流。夜は、すっかり和食党と化した両親のリクエストでボストン一おいしいといわれる寿司やで。握っているのは日本人のようだったし、見た目も普通の握りできれいだったけど、ごはんが堅すぎ。魚もそれほど質はよくないし、これでBest Restaurantとして載るのかあ、と、ちょっとZAGATの味覚を疑う。ボストンでも寿司は大人気らしく、普通のスーパーでも寿司パックが買えるし、レストランも白人客でけっこう混んでいる。(みんな日本酒なんか飲んでたりする。)でも、どうしてメニューにBoston Rollがなかったのかなあ?

8月27日〜アウター・ワールド〜
 今日からボストン郊外のOnsetという海辺の街に滞在。父の仕事関係の友人が別荘を持っているので、そこに泊めてもらう。もちろん、彼らはベジタリアンではなく(娘が”魚は食べるベジタリアン”らしい)、おちょこKが「一応魚は食べる」と言うとほっとした顔をする。そんなわけで、夕食は地元名物ロブスター。シーフードは平気と自分でも思っていたのに、それほどおいしいと思えなくなっていることに気づいて、「かなりベジに染まったなあ」と改めて実感する。(もちろん、他の全員は舌鼓をうっていた。)レストランを出てから、別の店でアイスクリームを注文。今まで乳製品御法度のVEGANに囲まれていたので、アイスクリームなんて久しぶり。これもやはりそれほどおいしいと思えない自分がいる。それにしても、一歩ベジタリアン・コミュニティを離れると、いろいろ社交上のつきあいやなんかでVEGANを通すことは大変だなあ。今日だって、レストランでフライドポテトとサラダだけ、なんてオーダーもやろうと思えばできたのだけど、そこまではちょっと・・・とも思うし。なかなか難しい。「お願いだからベジタリアンにならないでくれ」と言う夫の顔がふと脳裏をよぎる。

8月28日〜トワイライト・クルーズ〜
 ここOnsetでは、町中の人がみんなボートやヨットを持っているんじゃないかと思うくらい、ハーバーに舟がつないである。夕食後、モーターボートで湾を一周、ハーバーを出た頃にはまだ夕陽が残っていたのが、星が見えるほど暗くなって、でも港や舟の灯りがとてもきれい。風をうけて走るモーターボートは思っていたよりずっと気持ちいい。持ち主は子どもの頃からずっとヨットやボートにのってきたというのだから、「こういう人生もあるんだなあ」と思う。(日本でヨットを持っているのってどんな人たちなんだろう。)
 モーターボートを引き上げ、トレイラーに乗せて帰る。あんな大きい物をひきずって、よく何にもぶつけることなく走れるものだ、とまたまた感心。

8月29日〜にわか教師〜
 Onsetでお世話になっている人の奥さんで、60半ばにしてインターネットでホームページ作りのクラスをとっているLauraさんが、ホームページをどうやってアップロードするか教えてほしいと頼んできた。テキストを見ると、Netscape Composerを使っていて、HTMLなんか書かなくてもいいようになっている。ただ、使っているコンピュータとネスケの相性が良くないらしく、メール送信もうまくいかないそう。しばらく格闘した後、ネスケ経由でアップロードするのはあきらめ、AOLを使うことにする。普段はFFFTPでアップロードしているのだけど、Lauraのコンピュータには入ってなく、今ひとつ確信が持てない状態でなんとかファイルをインターネットに乗せるところまではたどりつく。その間AOLのカスタマーサービスに電話して、ネスケ経由でどうやってアップロードできるか聞いたものの、「私にはわからない」との返事。Lauraによると、そんなことはしょっちゅうらしい。アップロードできたのはいいものの、AOLで見ようとするとまったく見覚えのない車の写真が出てきたり(???)、ネスケのブラウザーではオリジナルのファイルにない文字化けがページのトップに出現したり、わけのわからないことだらけ。(ちなみに、アドレスは同じ!)いくら素人ふたりの拙い知識でやっているとはいえ、コンピュータが本当にユーザーフレンドリーになるのはまだ先だなあ、と疲れた目をこする。

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