5月24日〜ベジタリアン寿司に挑戦〜
 明日Darの誕生日パーティをやるということで、みんなそれぞれ何か持ち寄ることになった。寿司好きのDarのリクエストに応えて、ベジタリアン寿司を作ることにする。これまでさんざん寿司について蘊蓄をたれておきながら、そういえば自分で寿司を作ったことなんかなかったおちょこK。うまくできなかったら日本人の沽券にかかわることなので(大げさ)、ここのところ妙に緊張していたのだ。こっちで買ったホワイトビネガーが日本のお酢とは似て非なる味なので、仕事帰りにアジアンストアへ米酢を買いに行く。ついでに海苔も。具は何にしようか。湯葉とひじきがあったら買おうと思ったけれど、小さな店なので置いてなくて、がっかり。とりあえず土曜日に仕込んだかんぴょうと干ししいたけを味付けする。お米に昆布を入れて炊く。緑と赤の彩りに、冷蔵庫の残りのクレソンと日本から持参したクコを使おうと思ったけれど、ちょっと味のバランスがどうかなあ、と考えていたところに、Tina登場。これから買い物に行く、というので、同行させてもらい、絹さやと人参を入手。これで具はなんとかなった。味付けは、鶴田静さんのレシピを参考に(原稿のシミュレーションも兼ねて)分量を計る。原稿にはTable Spoon一杯の塩としたけど、これじゃあ多すぎだわ。(アメリカのスプーンは例によってでかい。)ゆでた人参を細切りにする。本当は飾り切りに挑戦しようと思ったけれど、ナイフでそんな細かい仕事はとても無理。切り口もギザギザになっちゃうし。料理って、材料はもちろん道具が違うと勝手が変わってくるものだなあ、とひたすら人参を切り刻みながら思う。
 ちらし寿司なので、そのままタッパーに入れて持って行ってもいいのだけど、それじゃああまりに見た目がそっけないので、手まり寿司風ににぎって、やはり持参した竹のお弁当箱に入れる。Tinaに味見してもらってExcellent!と言ってもらえたけど、まあ、初めてにしてはまあまあ、といったところ。問題は、一晩置いてどうなるか。明日の昼まで無事でいてくれ!と祈るような気持ちでベッドに入る。(台所の片づけが終わったのが夜11時半。疲れたあ〜。)

5月25日〜言論の自由〜
 VegSourceというやはりベジタリアンの市民団体がやっているサイトが、先週の金曜日、銃支持団体のメンバーにサーバーを破壊された、というニュースが入ってきた。どうやら、VegSourceの掲示板で銃の規制に関して意見を交わすコーナーがあって、そこで彼ら(ハッカー側)がかなり傍若無人な振る舞いをしたため閉め出したところ、彼らのサイト上で脅しをかけ、その上で事に及んだらしい。VRGは無事だったらしいが、VegSourceとリンクしているIVU(国際ベジタリアン協会)のサイトも一部影響を受け、この週末、ベジタリアン関係のサイトは復旧でかなり大変だったよう。VegSource側は警察に届けたらしいけれど、容疑者側のサイトが情報公開などの協力を拒んでいるらしく、なかなか事態は難航しているみたい。どうやって容疑者を特定したのか(サイト上の脅しだけでは証拠にならない)、犯人が逮捕されたらどれだけの刑を受けることになるのか、わからないことも多いけれど、こういう暴力の使い方もあるんだ、と、銃規制問題で熱いアメリカにいると、ものすごく怖くなってしまう。詳細は、VegSourceのお知らせページでリポートされているので、興味のある方はのぞいてみてください。
 昨日作ったお寿司は大好評で、特にちらし寿司風は珍しいらしく、この場合海苔はどうやって使うのか、などなど質問責めに合う。作り置きしたので、絹さやの色が変わってしまったけれど、とりあえずは一安心。(良かった良かった。)

5月26日〜給食談義〜
 VRGあての手紙に、オーガニック給食を提供している学校からのものがあり、そういえばアメリカの給食ってどうなってるんだろう、と興味を持って調べ始める。どうやら給食の管轄はUSDA(日本でいうと農水省みたいなところ)らしく、RDAの食ピラミッド改訂(ベジタリアン食は適切に栄養をとれば理想的な栄養指針にかなう、と認めた。1995年)からかなり活発に動いているよう。数年前までは「大豆が30%以上含まれている食品は給食に使ってはいけない」という規則があったが、無事に(!)改正され、今では豆腐やフェイクミートもOKになっただの、ヨーグルトを肉に代わるたんぱく源として認めるようになっただの(これにもかなり攻防があったらしい)、なんだか不思議な規制がいっぱいあったんだなあ、と見ていくとおもしろい。Jessicaにどんな給食を食べていたの?と聞くと、お弁当持参であんまり給食は食べなかったそうだが、そういえばTwinkiesが好きだった、と言う。Twinkies?スポンジケーキの中にクリームが入っているお菓子らしく、聞いてみるとTamaraもVegan Twinkiesがあったら欲しい!と言うほど以前はお気に入りだったとか。早速仕事帰りにスーパーに寄ってTwinkiesを探す。例によってラベルチェックをすると、たいていのTwinkiesにはBeef Fat(つまりラード)が入っていて、low fatのものだけが植物性油だけが使われていたのでそれを買って帰る。ベタベタして(予想通り)甘い。う〜ん、そんなに恋しがるほどのものだろうか・・・・。子供の頃からこれを食べてたんじゃ、アメリカ人がヘルシーな食生活をまっとうするのは難しいはずだ。と言いつつ、そういえば給食で揚げパンが好きだったなあと思い出し、なんだ50歩100歩じゃん、ちゃんちゃん、ということなのでした。(でも、揚げパンのがずうっとおいしいぞ!)

5月27日〜お留守居役兼お守り役〜
 Tina & Chuckが今日から日曜日までセカンド・ハネムーン(うらやましいっ!)に出かけるというので、Spatsの世話を頼まれる。おちょこKのほかにもDanielleが旅行から帰ってきたばかりなので、二人で餌やり(Dannielle担当)と水やり(おちょこK担当)を分担。Spatsは猫としてはかなりの高齢で(人間なら100歳近い)、目が見えず、鼻が利かず、かろうじて聴力だけが健在、という状態なので、いつもTinaが赤ん坊を抱きかかえるようにして餌をやっているのだ。朝、夕、晩の3回、スポイトで水をやる、ということで、仕事から帰ってきて早速任務遂行にとりかかる。いきなり、いつもと違う人間に抱きかかえられてSpatsは少々緊張気味。でも、無事に水を飲ませることができ一安心。にゃあにゃあいうのがトイレサインだと聞いていたので、トイレに連れていき、これまた無事に間に合った。今まで動物を飼ったことなんかなかったのに、やればなんとかなるものだ。以前Peggy(猫屋敷の主)のボランティアの手伝いをした時に、(猫の)トイレ掃除もやったので、ついでにたまっていたうんちも片づける。(何事も無駄な経験はない。)Tinaが帰ってくるまでこの調子でうまくいきますように!

5月28日〜大の字になりきれない〜
 今まで5人(+一匹)暮らしていた家に二人しかいないとなると(Janetteも里帰り中)、かなりがらーんとした空気が漂う。今日も帰ってきて早速Spatsに水を飲ませ、夕食を作り、洗濯をしつつ英語の勉強をし・・・そうこうしているうちに、いつしかDanielleも出かけ、ついにひとりぼっちになってしまった。なんだか淋しいのとリビングを占領できるといううれしさから、Thina&ChuckのCDコレクションからピアソラを取り出して、ステレオにかける。哀愁に満ちたタンゴの調べ。さすがに、部屋のラジカセと違って音がいい。「主の留守、大の字になる居候」といったような川柳があったような気がするけれど、まあ家賃は払っているから居候ではないわけだけど、まさにそんな感じだ。でも、なんとなく落ち着かなくて早々に自分の部屋に退散してしまったおちょこK。気が小さいというか、なんというか・・・・。

5月29日〜3連休初日〜
 今度の月曜日はMemorial Dayという休日で、オフィスは休み。というわけで、今日から3連休!嬉しいなったら嬉しいな。といって、特に予定はなく(明日、ランチョンパーティがある以外)、好きなように過ごせる貴重なお休み。本当にしたいのは、ベッドの中でぬくぬくすることなのだけど(本来怠け者)、そうもしていられないので、とりあえず土曜日恒例のファーマーズマーケットに行って食料を買い込んでくる。久々に暑い。ちょっと陽が落ちてから、あらためて外出。ハーバーは貸しボートに行列ができるほどの人混みで、観光客でにぎわっている。Barns&Noble(ここも混雑)に注文してあった本があったので取りに行く。ついでに寿司の本やアメリカのガイドブック、ボルチモアの建築ガイドなどまたまた買いすぎてしまった。(本屋は危険!)本当は、Little Italyなんかをぶらつきたいところだったけど、とにかく暑いのと荷物が重いので、今日は前から気になっていた自然食品屋をのぞくだけで、おとなしく帰る。今日はERがあると思って楽しみに帰ってきたのに、先週やっていた時間になってもやらない。何故??と思ってインターネットで検索するが、なかなか思うように探せず、1時間くらい無駄にコンピュータの前で過ごす。ようやく探し当てると、なんと午後1時に放映していたことが判明。その時間だったら家にいたのに〜!!がっくり。どっと疲れる。そうこうしているうちに暗くなってきて、早くも連休初日は夜に突入。あ〜、これからルーティーンの英語の勉強だ!

5月30日〜真夏日続く〜
 今日の気温は約90度(華氏)イコール摂氏32度。日射しがきつい。(ショートパンツが欲しい!)昼は、Mr.ChenというVRG御用達の中華レストランでSamuelがアメリカに来たお祝いパーティに出席。Charles&Debraの親戚一同、VRGゆかりの人々総勢90人が集まる。料理はもちろんすべてVegan。SEITANという小麦グルテンや豆腐をうまく使って、non-vegetarianも大満足のメニュー。それにしても、ロシアに居たときのSamuelの写真をあらためて見ると、今より随分やせている。こうやって段々アメリカの子供になっていくんだなあ、となんだかしみじみ。
 Memorial Dayというのは何でも第二次世界大戦後にできた休日で、戦没軍人の慰霊祭のようなものらしい。そう聞くとちょっと居心地が悪くならないでもないけれど、アメリカ人の中では、この日を境に「夏」が始まる、といった感覚でとらえられているよう。(だから、アメリカの子供は6月から夏休みなのかしら。)そうか、この国には「梅雨」がないんだなあ、と「笑点」カレンダーを見ながらふと思う。

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