4月26日 〜養子縁組の真相〜
Charles&Debraに養子縁組をあっせんしたJewish Family Services'Adoption Alliancesの説明会に同行。C&Dに「どうやってSamuelを養子にしたのか」聞いてもどうも要領を得なかったのだけど、ようやく全貌(というには大げさだが)をつかむことができた。
説明会には20人以上が訪れ、質問も矢継ぎ早、なんだかものすごく真剣な雰囲気だ。アメリカ国内から養子をもらうよりも海外で探した方が手続きが簡単らしく、今日もルーマニアやモルドバ、ロシア、中国の養子あっせんについての話題が中心。特に健康状態については気になるらしく、「どうやってチェックしたのか」「虚偽の申告をどうやって防ぐか」「ロシアや東欧で妊婦がアルコールを摂取するのは本当か」など、かなり具体的な質問が飛び交っていた。
ちなみに、C&Dのリクエストは「健康で1歳以下」だけで、特に国籍、男女他の条件はなかったらしい。まさに最初にリストアップされてきたのがSamuelで、ビデオを見て即決したらしい。彼らはよく「私たちがSamuelをみつけたんじゃなくて、彼が私たちをみつけたんだ」という言い方をするけれど、本当にSamuelのような健康で賢い赤ん坊と一発で出会えるのは、ラッキーというか天の配剤というか、とにかく運がいい。養子をもらおうと決めたのは去年の7月で、それからいくつかのエージェントにあたり、途中ロシア側の事情で縁組みが遅れたハプニングがあったものの(本当は12月に引き取れるはずだった)、こんなにスムーズに事が運ぶのはやはり希なようだ。
出席者のほとんどがユダヤ人(だと思う)で、「外国のユダヤ人の子供は割礼されているのか」などの質問もあった。(今日初めて知ったのだが、なんとSamuelもユダヤ人〜母親がユダヤ〜だった。)アメリカは「多民族国家」なんだなあ、と、こんなちょっとしたことでも改めて気づかされる。
4月27日 〜カリフォルニア前夜〜
明日から再びカリフォルニア行き。今度はBookExpo Americaという展示会の出張なのだけど、ついでに「California Sushi Academy」というところにも取材に行く。これは個人的な仕事で、実は「The Sushi in America」をテーマに何か書けないかと目論んでいるのだ。詳細はあらためて説明する機会を持ちたいと思うけれど、そのとっかかりというか第一弾が上記の「アメリカ人寿司職人養成学校」になる。何分、どう形になるのかわからないので、今回は「とりあえず見てくる」程度だろうけど、フリーで初めて行く取材なので、ものすごくドキドキしている。
まぬけなことに、学校の場所をロスのダウンタウンだと思いこんでいたら、なんとサンタモニカにあることが今日判明。明日、明後日に泊まるモーテルはロングビーチ・・・こういう時、車に乗れないと本当に本当にめんどくさい。まあ、タクシー移動だろうなあ・・・お金かかるなあ・・・。まあ多少の困難は良しとしなければ。(こんなことじゃ負けない!)Expoも、見るものがたくさんありそうだし、夫もはるばるやってくるし、愛に仕事に忙しい一週間になりそう!
4月28日 〜なんだか大忙し〜
あわや寝過ごしそうになって慌てて支度、なんとかチャールズ&デボラのお迎えに間に合った。(朝6時45分)今回は初日から取材もあるし、ということでジャケット着用、「プロフェッショナル・ファッションだ」とはチャールズのコメント。(いつも超カジュアルだからなあ。)いくらなんでもロングビーチっていうのはどうか、ということで、空港の近くのモーテルに予約を変更する。がしかし、飛行機に乗り込んでから、どうせならダウンタウンに宿をとった方が動きやすいんじゃないか、ということに思い当たり、ロスについてから大急ぎで何軒かに電話をし、ガイドブックにのっていたモーテルに予約をいれる。チャールズたちとはここでお別れ。空港からシャトルバスに乗り込み、ダウンタウンへ。
フロントで、サンタモニカ行きのバスがあることを確認し、バス停まで例によってテクテク歩く。いつもながらアメリカのバスって本当に緊張する。汚いし、貧乏そうな人ばかりだし(今回は一応きちんとした身なりをしていったので余計緊張)、停留所のアナウンスはなんだかよくわからないし。地図とにらめっこしながら、なんとか無事に目的地へたどり着く。
5時から8時過ぎまで取材&授業(ベーシックコース)の見学。生徒は9人。中年の日本人男性がふたりいた他は、全員アメリカ人(日系3世も)。今日はすし飯の作り方と巻き寿司の作り方、盛りつけの基本などの講義。「何にも知らない」人に対して教えるとこうなるのか、とうなるほど、説明の仕方は非常に明晰。「手で食べるのはマナー違反にならないのか」「すし飯は保存できないのか」など、アメリカ人ならではの質問もとびかい、それに対する答えも本当にクリアー。(日本の徒弟制度だったら「馬鹿野郎!」で終わりなんだろうけど。)見学後、経営母体の寿司レストランでご馳走になってしまった。(魚のお寿司が食べられて嬉しいなあ!!!)平日だというのに、店内は満席。それでも今日は空いている方らしい。客席のほとんどはアメリカ人だけど、お箸を使うのはもうあたりまえになっているのに、コーラとお寿司を合わせて平気なところがなんだかおかしいというか、いかにもアメリカンだ。帰りはさすがにちょっと怖いのでタクシー利用。明日は、プロフェッショナルコースの見学だ!
4月29日 〜今日もまた西へ東へ〜
モーテルに一人泊まるのも結構緊張するもので、夜中何度か目が覚める。今日はExpoの準備日、9時過ぎにコンベンションセンターへ行くがチャールズたちはまだのようだったので、会場の様子を下見。ガイドブックの見取り図が不親切なせいもあるけれど、それにしてもとにかく広い。早くも歩き疲れる。チャールズたちがなかなか来ないので、シナモンバンズ(Non-Vegan)をぱくつきながら、寿司学校取材までどうスケジュールを組むか、何か出席できるセミナーがないかチェック、PMAという小さめの出版社向けのランチョンセミナーに行くことにする。
10時半にようやくチャールズたちと合流でき、セッティングをバタバタと手伝い、駆け足で昼のセミナーに出席。テーマは"Future of New Technology and Publishing"。Rocket Booksという電子ブックの会社の社長とPMAのスピーカーがスピーチ。アメリカで今電子出版がどういう仕組みで進んでいるのか、概要だけでも知ることができて、ご飯こみで30$ならペイしたかも。同じテーブルの人が、ニューエイジ関係の出版社の人で、最近話題の「血液型による食事療法」の話や「ベジタリアンについてどう思うか」などの会話がはずむ。
せっかくなのでビーチも見たいし、少し早めに学校のあるVeniceへ向かう。バスも心なしか昨日より安心な感じで、降りる場所もわかっているし、精神的にもかなり楽。海岸沿いには、Tシャツやサングラスなどを売る店のほか、いかにもヒッピーな出店(タトゥー、がらくたっぽいアクセサリー、マッサージ、不思議な似顔絵などなど)が並んでいる。歩きながら「やっぱり自分は東海岸のちょっとスクエアーな感じの方が好きなのかもしれない」などと思う。
今日の取材はプロフェッショナルコース。何人かお休みで生徒は4人しかいなかったけれど、さすがに昨日とは「真剣度」が違う。みんなそれぞれレストラン関係で働いていた経験があり、質問の内容も具体的。授業の最後に、ミニ寿司カウンターを作って実演。(お客になって食べさせてもらったのだけど、生徒から「いい仕事だねえ」と言われてしまった。)初心者は誰でも手つきがたどたどしいものだろうけど、大きな体、大きな手のアメリカ人はよけいぎこちなさが目立つ。いろいろ感じたことはあるけれど、それはまた別の機会に。
お知らせ〜明日からいよいよ夫がやってくるので、この際「愛」を優先し、日記は5月5日までお休みさせていただきます〜
4月30〜5月5日〜本と寿司とベジタリアンと〜
4月30日から5月2日までは、BookExpo America。アメリカの出版の仕組み、コンピュータと出版の関係、食関係の本の物色、知り合いのカメラマンに頼まれていた旅行関係の本の出版社の調査などなど、見るもの、調べることが山ほどあって追いつかない。もちろん、VRGのブースも手伝いがてら、どんな人がベジタリアンあるいはベジタリアンに興味を持っているのか観察もする。人の観察と言えば、前回のNatural Products Expo同様、Human Watchingがおもしろくてしかたない。特に、ここに集まっている人たちはみんな出版関係なわけで、彼らのファッションから仕草、話し方まで、ささいなことが見ていて楽しい。
夫とまったくフリーに過ごせたのは2日間。それでも、Little Tokyoの日系人博物館に行ったり(ラーメンも食べました。音をたてて!)、Universal Studioで遊んだり、ロングビーチまでドライブしたり、とフルに動き回った。なんだかずっと離れていた気がしないくらい、ふたりでいることが自然で、また離ればなれに暮らすのが信じられないほど。でも、あと4ヶ月は会えないんだよなあ・・・。
最後の日の夕食は、カリフォルニア・寿司アカデミーの卒業生が就職しているという「MIYAGI」という寿司レストランへ。カウンターで寿司を握るのは韓国人。日本語が流暢な彼は「外人が好きな寿司はどうも気に入らない。日本スタイルがいい」としきりにこぼすけれど、「外人」「外人」と「韓国人」の彼が連発するのがなんだかおかしかった。確かに、日本人からすると「面妖な」寿司が多く、正直、彼らの握る寿司の技術も「学校を出たて」といった感じで、日本だったらとてもお金をとれるものではないけれど、それでもアメリカ人には大人気、というから、複雑な気分というかなんというか、「寿司 in the U.S.A.」についてあらためて考えさせられた。
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