7月5日〜大西洋で海水浴〜
ペンシルベニアからハイウェイを飛ばすこと3時間、Annabelle&Wein(AnnabelleのパートナーでCharlesの大学時代からの友人。大学教授)のセカンドハウスがあるOcean Glove(New Jersy)へ。Ocean Gloveはメソジストのコミュニティで、ビクトリア朝の家が建ち並ぶとてもキュートな街。
Annabelle&Weinの家から海までは歩いてほんの数分。これは大西洋だ!と思うと訳もなく「おお!」と感動してしまう。(海の向こうにはヨーロッパやアフリカ大陸があるってことだ!)同じ海には違いないのだけれど、大西洋で泳ぐなんて、日本じゃできないよなあ、とあたりまえのことを思う。海の水はけっこうきれいで、ビーチは白砂、海底は小石でくらげもいない。今日は100度(もちろん華氏)を超える暑さで、海の冷たさが気持ちいい。思いがけない優雅な休日に、仕事の疲れも忘れる。
7月6日〜ボルチモアの夏、侮れじ〜
ここ数日はずっと100度(しつこいようですが華氏)を超える暑さ。東京の猛暑に比べれば大したことないさ、とたかをくくっていたのだけれど、どうしてどうして。帰ってくるころには汗で衣服がべちゃべちゃになってしまい(よく歩くせいもある)、まずシャワーを浴びないと何もする気がおこらない。会う人会う人、口をついて出る言葉は"HOT!!"。Tina&Chuckがはるばる3階まで運んできてくれたエアコンは原始的でモーター音がうるさいものの(日本の静かなクーラーがなつかしい)、本当に「あるだけで」有り難い。Jessicaの家にはエアコンがないので、かわいそうに彼女の愛犬Zoeはバテバテらしい。そういえば、動物は体温調整が人間のようにできないので、たった数分車の中に残していくのでも、かなり体力が消耗して危険な状態になってしまうんだそうだ・・・と書いている内にも汗が流れる始末。エアコンの目盛りを上げなくちゃ。
7月7日〜またまたコンベンション〜
JAINAから休む間もなく、今日から大学のスクールフードサービスのコンベンション(開催場所はボルチモア・コンベンション・センター)。隣のブースはなんと薫製肉のメーカー、でも、VRGに比べて人出は圧倒的に少ないのだから笑ってしまうやら気の毒になるやら。(居心地悪いだろうなあ。)実際、JAINAほどではないにせよ、ベジタリアンに対する反応はいい。会場全体でも2割くらいは、ガーデン・バーガーなどのベジタリアン食品のメーカー。ある統計によると、今や生徒の25%がベジタリアン・ミールを選ぶそうで、メイン大学のフードサービスの人の話では「需要が多いから、ただベジタリアン・バーガーをサーブするだけでは追いつかなくなってきた。もっとフレッシュでヘルシーなメニューを開発しないといけない」のだとか。
今回のコンベンションも試食ができるので、少しずついろいろ食べ歩く。チーズを使ったベジタリアン・ミールを「ちょっと重たいなあ」と感じる自分に気づき、大分Veganに染まったんだなあ、と実感。
7月8日〜音楽の力〜
毎晩、National Public Radioのボルチモア局で夜9時から11時のジャズ・プログラムを聴いている。元からジャズは好きだったけれど、ボルチモアが妙に音楽がはまる街(なんとビリー・ホリデイの出身地だった)ということもあって、集中的に聴きたくなってしまい、Sound Gardenでマイルスやらデューク・エリントンやらを買ってきてはしみじみとひたっている。(ミュージシャンで他にボルチモアにゆかりがあると言えば、ブルース・ブラザースも若い頃住んでいたらしい。)
ジャズ以外にも、ついこの間ブルース・スプリングスティーンの出身地、ニュージャージーのAsbury Parkのそばまで行ったので、"Greetings From Asbury Park"という初期のアルバムや、ディランが妙に聴きたくなって"The Freewheelin'"とこれまた初期の作品を折に触れてはかけている。こんなに音楽が心にしみる日々は、中学・高校生の時以来かもしれない。あとは、歌詞がすっと耳に入ってくるようになれば・・・!
7月9日〜繰り返し旅支度〜
明日からいよいよニューヨーク&シアトル行き。ニューヨークはFancy Food Showというトレンディ・フードのコンベンション出席、シアトルは寿司ビジネスの調査が目的。ここ数日、オフィスでもVRGの仕事そっちのけ状態で慌ただしく準備をする。今アメリカは「食」がトレンドなので、コンベンションでも勉強できることがたくさんありそうだし、寿司は寿司で気になるし、ニューヨークやシアトルのベジタリアン・フード事情も調べておきたいし、と、もう頭の中がぐちゃぐちゃ。小型スーツケース(ヤードセールで$5.50で入手)に一度荷物を詰めたものの、最低限必要な資料等を持っていくとなるとブリーフケースではとてもおさまらず(パソコンもあるし!カメラもあるし!)、あきらめてビッグサイズのスーツケースに入れ替える。
ニューヨークでは泊めてもらう友達も含め、久々の再会がとっても楽しみ。ニューヨークも4年ぶり、あの時はこういう境遇で再び訪れることになろうとは、夢にも考えなかったなあ。
7月10日〜大都会〜
ボルチモアからアムトラックに揺られて(本当に揺れる!)2時間半、4年ぶりのニューヨークに到着。なんだかやけに「都会」な感じがして、人の多さ、街並みの混みようにちょっとクラクラする。前に来た時は全然そんなこと感じなかったのに。すっかりボルチモアのオフ・ビート感覚になじんでしまったのかなあ。
今日から二日間は、大学時代の友人でコロンビアの大学院を卒業、今は野村証券のニューヨーク支店で働いているおーちゃんのアパートに泊めてもらう。アッパーウエストサイドの彼女のアパートは、古いながらも彼女のセンスで居心地良くコーディネートされている。家賃も高いだろうし、部屋探し大変だったろうし、とにかくこのニューヨークで一人生きているというのは、本当に偉いなあ、と、しみじみ感動。
夕食は、やはりニューヨーク大学の大学院で勉強中のサークルの後輩も交えて、ニューヨーク「寿司清」で。こはだやしゃこなんてネタもちゃんとあって、日本のきびきびしたサービス、過度でない「日本」風インテリアになんだかほっとする。帰り道、ニューヨークの夕日を浴びながら、隣にいるのは前からの友人だけれどここはアメリカなんだなあ、とふと不思議な感覚にとらわれる。
7月11日〜Fancy Food Show〜
これで「コンベンション・センター」と名のつくところに足を運ぶのは何度目だろう。今回は自分が出展していないので気楽といえば気楽、それでも何千とあるブースを全部見て回るとさすがに足が棒になる。
”ファンシーフード”ということもあって、チーズ、チョコレート、コーヒー、紅茶、ペースト、オリーブオイルなどなど、おしゃれなグルメ食品がいっぱい。(今まで出席したコンベンションの中では、「肉」のブース率も最高。)そんな中でも、ベジタリアン向けのアイテムはそれなりにあって、試食をしがてら名刺を渡し、情報を送ってもらうように頼む。卵や乳製品を使っていないVeganデザートも探したけれど、これはさすがになかなか厳しい。(それでもひとつは発見。)寿司関連では、日本食の卸しをしている会社のブースで、試食用のカリフォルニア・ロールが飛ぶようにはけていくのを目撃し、「寿司人気」を改めて実感する。
帰り道、たまたまみつけたカメラ用品店(店員がみんな小さな黒い帽子をかぶったユダヤ人!)で蛍光灯用のフィルターを購入。その後、インターネットでみつけた、Kosherというユダヤ人の食の規律にしたがって作られた寿司デリまで足を運んだものの、店の名前は違うし、閉まっているしで不発に終わる。ずっしりと重くなった資料の束をかかえて、ぐったり・・・やっとの想いでおーちゃんのアパートまで帰り着く。
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